ワセリンを塗り続けるとアトピーが予防できる
外科医にはあまり馴染みのない、赤ちゃんのお話。
ワセリンは皮膚が乾燥した時の対処役として、それから靴擦れや衣類と皮膚の摩擦予防に使われています。
アトピーハイリスクの子供に生後6ヶ月までワセリンを塗り続けると、
アトピーの予防効果があることが実証↓
アトピーはアメリカの子供の約10パーセントの子供が罹患している病気で、
年間38億ドルの医療費がかかっているとのこと。
日本でも同じく1割くらいと言われていて、わずかではあるが徐々に増えているらしい。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf
赤ちゃんにベタベタのワセリンを塗るなんて、、、という方もおられるでしょうが、
ご兄弟や家族にアトピーの患者さんがいる場合は、ぜひトライしてみて欲しいです。
ちなみに、全くリスクがない人はやっても何も変わらない( ´∀`)
*なお、ワセリンは体温上昇時にはかゆみの原因になったりすることもあり、
ベタつきも気になる(それはつけすぎなのだと私は思いますが。。。ワセリンの皮膚への吸収はかなり早いです)人は二番手のひまわりオイルを使うといいかもしれません。
私はひまわりオイル使ったことないですが、二番目にコスパがいいそうです。
胎児をジップロックの中で育てちゃいました
ジップロックといえば、お料理する皆さんは誰もが持っている便利な一品。
この中で動物の胎児が生きることができる、と聞いたら、
どう思うだろうか。
知ってますよね、ジップロック💦
お母さんのお腹、というものが必要なくなる。
女性は妊娠中(?)も働けるわけです。
アメリカ、フィラデルフィアの小児病院で、リアルにこれをした病院がある。
それについて書いたのがこれ↓
wombは uterineの 専門用語で子宮のこと。
28週の羊をプラスチックバックに入れ、羊水と酸素と二酸化炭素を還流させる装置を作った。
もちろんこのプラスチックバックはジップロックではなくって(あたりまえー、マジでジップロックでできると思った人は👊)医療用の滅菌されたプラスチックバックですよ。
なんとこの装置で28日間も胎児を生き延びさせることができたんだって!
現状では未熟児の治療に使えることが期待されているけど、
もしかしたら、代理母、なんていらなくなるかもしれない。。。
感情論として、出産するあの瞬間がなくなる? というのはとても寂しいことだけれど、女性は非常に合理的なもの。
いつか、じゃあこっちのバックで産みます、という選択肢ができるかも。
日本もそろそろ、出産したお腹で戸籍を決める、戸籍制度を見直すべきかもしれないですね。
遺伝子切り込み隊・CRISPR
切り込み隊といえば、新撰組ですよね。
新撰組は世の中を良くしようという信念のもとに結成されたチームでした。
じゃあCRISPRとは、なんだ!?
それについて書かれたのが、これ↓
CRISPRはヨーグルトなどの食品に含まれる物質です。
サーモフィルス菌、聞いたことありますよね?
外から入ってきた有害なウイルスの遺伝子を切り裂いて、間に役に立たない”スペース”を割り込ませてしまう物質。
これによりウイルスが不活化されるんです。
実は、これ、ウイルスが人間の細胞に感染するときにも似ていて、
ウイルスは自分の遺伝子を人間の細胞に滑り込ませるんですよね。
まさに、”感染”をやっつける”感染”
今後、農業やワクチンの製造などに活用される可能性があるとのこと。
ただ残念なのが、この効果を及ぼすのは50-80%の割合。
最近、インフルエンザを予防するヨーグルトが販売されていますが、
まさにこれ。
お腹の中で、ヨーグルトの中の小さな戦士が、
ウイルスの中に切り込んでいっているみたいです。
そう思うと、乳製品の一つのヨーグルトも愛しいものになるかも。
(乳がん増加の原因は乳製品にもあると言われているのですーーー)
プラスチック・キャタピラー
最近、ニュースを読み始めたせいか、変な自然現象に目がいくようになった。
死んだクジラが大きな風船になってやってきたとか、
温和そうなペンギンがメスを巡って壮絶なファイトを繰り返す、とか、、、
その一つが、これ。
キャタピラーとは芋虫のこと。
スーパーの袋や食品の包材に使用されているポリエチレンであるが、
これは炭素と水素からできていて、環境ホルモンを出さずに焼却できるプラスチック。
しかし焼却は二酸化炭素を出すわけで、そういう意味ではこの芋虫も環境保護に一役買っている。
もしこの芋虫をゴミに入れて虫に食べさせたら、環境問題が減るわけだ。
この芋虫の中にある特殊な分子が、分解を助けていると言われている。
虫から作られたものが生体にもすでに活用されていて、
主なものはカイコ(silkworm)だ。
カイコから作られたシルクは手術材料として以前から使用されている。
また、今後も活用される可能性がある。
個人的に虫は苦手だが、このように書かれると、一瞬(だけ)可愛く思えてしまいますね。。。
健康になりたかったら健康な人と一緒に生活すべし
昨日の先生は、ファスティングしてもいいけど、終わった後にちゃんと食べろよ的なことを書いていた。
普段食べているものは、少なからず私たちの体調や精神に影響すると言われていて、
腸は第二の脳と言われる所以である。
ファスティングすると、食べていたものが一気になくなって、まるで”リセット”されたように思うかもしれないけどそうではない。
それまで食べていたものに合わせて、腸は馴化しているからである。
ピザとかハンバーガーとかのいわゆるアメリカンフードを食べている人は
腸管内の細菌の量が少なくてしかも種類も少ない。
こういう腸を持った人は免疫疾患やメタボリックシンドロームになりやすい。
ナッツとか果物とか野菜などの菜食中心のマウスは
腸管内の細菌の量が多くて種類も多い。
それについて書いてあるのがこれ↓
(*絵が腸、いや超キュートでしょ〜♩)
ご存知の通り、糞便は腸管細菌の塊である。
糞便は移植すると移植された腸管内で増殖するのね。
無菌状態で育てたマウスに二つのタイプの人間の糞便を移植してみた。
一つはアメリカンな食事で一日3500キロカロリーの食事をとっている人。(アメリカンマウスとここでは呼ぼう)
もう一つは菜食中心で一日1800キロカロリーの食事をとっている人。(菜食マウスとここでは呼ぼう)
この2グループのマウスを別のケージで育ててみた。
アメリカンマウスに菜食中心の食事を与えてみたが、腸管細菌は増えなかったし、種類も増えなかった。
試しに同じケージに入れてみた。すると、
菜食マウスの腸管内の細菌がアメリカンマウスの中に認められるようになったのだ!
マウスは、同じケージの中の糞を食べるので、どうやら移ったらしい。
人間では一体どうなのか、はっきりしたことは書いてないが、
同居している人同士の腸管内細菌が似ていることは過去の経験でわかっているそうだ。
つまり、配偶者や家族や近しい恋人や、、、同居人の腸管内細菌はお互いに影響を与え合う、ということで、
健康になりたい人は健康な人の近くで生活するといいのかもしれないですね。
ダイエットの歴史とファスティング
HUFFINGTON POSTを見ていたら
あやしい記事を見つけて読んでみた。やっぱりこーいうのは英語初心者には向かない。
↓これ。
"The Fasting And The Furious"という同名の映画にちなんでタイトルをつけていて、
宗教的用語もでてくるこの記事だけど、書いているのはアメリカの健康系の大学の先生である。
今もあたかに新しく出たように言われている食に関しての説、”過剰な糖質は悪”。
これはヒポクラテスの文献にも記載があり、Dietary Guidelines for Americansという食事についてのガイドラインにも40年前から掲載されている。
確か炭水化物ダイエットというのもあった。
これも糖質制限の一連の流れ。
一時期アメリカで流行ったパレオダイエット。これは旧石器時代のダイエットと言われていて、石器時代の人のように加工物を食べず、食肉野菜ナッツなどを食べる。なかなか獲物が捕まらない時は絶食(ファスティング)となるし、野菜やナッツもまるのまま食べるのでビタミンやミネラルも十分補える。
このようにファスティングはなんら目新しいことはないと指摘している。
加えて、ファスティングの要点は血糖値や脂質の大幅な改善だが、
絶食すれば下がるのは当たり前、としている。
肌がきれいになったり集中力が増すのは、他の代謝疾患の改善時にも認められるが、
はたしてこれがファスティング独特のものなのかそうでないのかは、未だに言及されていない。
歴史を紐解いていくと、ダイエットには時代で流行があり、
次から次へとまた新しい流行が生み出されているのがわかるだろう。
彼は最後にこう締めくくっている。
ファスティングは魔法のように素敵な方法だけど、終了後にどか食いしたり偏った食生活をしていては意味がない。
普段の食事で多様な食物を摂取し、過剰に食べ過ぎないようにすることが大事だ。
とまあ、当たり前の結論に達したのである。
適切な睡眠時間は男性側の妊娠率を上昇させる
3か月前くらいに読んだ記事を見直してみました。
ぎゃ。
この写真があまりにも強烈で読んでしまった記事がこれ。
アメリカとカナダのカップル790組を調べた調査で、
睡眠時間が6時間以下の男性のカップルと
睡眠時間が9時間以上の男性のカップルでは
8時間の男性のカップルに比べてなんと最大42パーセントも妊娠率が違ったそうな。
睡眠中はテストステロンの分泌が起こるので、睡眠時間が減るとテストステロン濃度が下がると言われているし、
サーカディアンリズムが壊れると精子の質にも影響があるとのこと。
もちろん不妊となると話は別で、女性側の要因も大きい。
42パーセントという数字は大きく思えるが、この数字は女性側の要因を全く考慮していない数字なので、実際はもっと少ないのだと思われる。
。。。余談ですが、欧米人の寝起きの顔に慣れるのにはまだ当分かかりそうです。