あのCRISPRが遺伝子ベイビー誕生を後押し。。。そして世界はカズオ・イシグロの世界に!?
以前ご紹介したCRISPR。覚えてますか?
ヨーグルトのサーモフィルス菌から発見されたCRISPRです。
breastandthyroid.hatenablog.com
ブログでは今後ワクチン開発に使われるでしょう、と書いたのですが、なんと中国で遺伝子ベイビーを作成することに使われたそうで。
CRISPRを開発したアメリカの研究者は激怒しているそう。
その記事がこれ↓
www.technologyreview.jpそれに対しての中国側からの反論がこれ↓
サーモフィルス菌もまさかこんなことになっているとは想像しなかったでしょうよ。。。
アメリカの言い分とすると、HIVに耐性となる子供を生み出すと、今度はウエストナイルウイルスへの耐性がなくなる、また他にどんな影響が出てくるのかわからない。。。と。だから人類へ影響するこういうことはもっと大人数での合意があって実現されるべきだ。
(ま、育った子供たちが今後子供を産んで行ったら大問題になるもんね)
で、中国側からすると、俺たち今めっちゃ大問題のHIVに対する解決提案をしたんだから英雄でしょ、という。。
(国際連合エイズ合同計画 によると2020年までにHIVへの必要投資はUSD26Bに登るそうで、2017年には94万人がAIDSでなくなっており、180万人がAIDS新しくAIDSになっているのだそう)
ま、そんな論議になってるみたいです。
でも、
でも、
でもね。
なんか、その、
机上での議論てゆーか、
男目線の非リアリスティックな議論だよね??
じゃああんたたち、子供、育てんのか?
どうせ研究室にこもって奥さんに子育て任せっきりなんじゃないの?
こうして育った子供を育てるのは一体だれ?
それは、、、お母さんです。そしてお父さんです。
あなたはその子の父親になりたいと思うのかしら。。。
私はこの話からカズオ・イシグロの『私を離さないで』を思い出してしまいました。
主人公たちは遺伝子ベイビーではなくクローンですが、人間の臓器提供の為に生まれてきたのね。でも彼らはその目的を大人になるまで知らされないのです。彼らは思考を持っており、精神性も非常に高い。大人になりそれを知ってから、非常に困惑し非行に走ったり性的欲求に走ったりしてしまう。そして最終的には3-4回の手術を経て死んでしまうわけです。わずか30数年で。
彼らを育ててるのは保護施設の先生たちですが、それを見ている先生たちは非常に辛いわけです。だから先生たちは彼らに芸術を教えて絶えず寄付金をもらい施設の拡充を測りながら精一杯生きなさいと教えるのです。
人間の一生ももっと長いけど、一人一人がミッションを持って生まれてきている。
CRISPRのミッションを役立てるとしたら、それはまだ、薬で直せる病気ではないと私は考えます。先天性の遺伝子疾患にどうしてこの中国の研究者たちがフォーカスを当てなかったのか。
"money"にフォーカスしすぎて世論をミスしてしまった感がありますね。。。