エッセイ: 恐怖のインフルエンザの季節がやってきた / Essay: Deadly busy winter season embarrassed me on medical records.

今年の冬は12月29, 20, 31日と3日連続で同じ病院で内科外来でした。

アメリカで学生をやっていますが日本でもアルバイトしていたのです。

以前ほうれい線のことを書いた時、なんだか反響が大きくて驚いたので、今回も少しだけ暴露話を書いてみようと思います。

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今年の冬も、例年と同じくインフルエンザと急性胃腸炎のオンパレード。紙カルテだったので腱鞘炎になりそうだった。

 

私はもともとみんなが褒める達筆(と自負している)が、外来をやっていると、途端に字がとんでもなく汚くなってくる。ひどくなると自分で何を書いたのか、わからない。。。

 

内科のレジデントだった15年前、まだ電子カルテの導入もなく、紙カルテで必死に外来をしていた頃、初めて上司に、「お前、字、きたね〜なー」と言われた日のショックを今でも忘れない。

 

なので、あの日を繰り返さないべく、書き方も書く内容も工夫する。特に病名。"急性上気道炎"なんて書いてたら、性とか炎の字は潰れて読めない。これだと医療事務が困るので、短縮して"感冒"、それさえも自信がなくなるとひらがなで"かぜ"と書く。だけど、それはあまりにも怠惰と自分で思う。

 

カルテの中身でさえも、医師は聞いたことの半分くらいしかカルテに書かない(書けない)。英語の方がサラサラと病名をかけることも多いが、それは今はカルテ開示という恐怖の儀式の可能性があるため許されない。恐怖といっても診療内容ではなく、字の汚さを指摘される方が恐怖だ。これは自分でもキチガイかなあと思う笑。

 

電子カルテになって、この問題は解決されたのだろうか?

最近はすでに風邪のフォーマットが出来上がっている病院も多く、コピーアンドペーストを習得すれば、あとは数クリックで処方箋発行、病名付けまでできるところも多いが、相変わらずまだクリック数が多いなと思う。

 

感冒の場合、患者さんが話した内容は半分くらいしかカルテには記載されない。昨日は嫌なことがあったので、とか、誕生会で飲みすぎた、とかは風邪にはあんまり関係ない。ましてや職業まで聞き取る必要は大抵の場合必要ない。というわけであまりに患者間での代わり映えがしないため、あとでカルテをみた時に、一番わからなくなるのは実は電子カルテなのである。

 

実は字の汚さとか、カルテのこのあたりに書いたな、とかは診療後数時間は割と覚えてるもので、あとちょっとヒントがあれば、患者さんの顔も何とか思い出せることも多い。なのでやっぱり紙カルテも捨てがたい。

 

本当にとっととロボットを導入したいものである。

I worked at the outpatient section in the clinic for continuous 3 days Dec 29-31 this year. Lots of patients with flu and acute gastroenteritis came to my room like a big wave. My arm was almost dead...

The article on FB about my faceline become really popular so I am writing about my strange feeling about medical record. 

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My Japanese writing is, I would say, relatively good.  However, on the outpatient care, it turns out to be as bad as it can not to be even read by myself. 

 

I don't forget the moment when I was very disappointed when I was told by my senior that my writing had been very bad!!! So, I am always very cautious about keeping my tiny pride. 

Japnese doctors need to write down the name of the disease after seeing patients for health insurance. When I saw a patient with cold, I don't write "acute upper reapiratory disease" or "viral infection" because it's too long and it sometimes become different language when writing quickly. But, still I feel me as lazy and guilty when I write "cold."

 

Japanese doctors has never enough time to write down what patients said in the room. I tried to write in English and it is easy for me to wirte the record but I found it dose not fit because there is a condition that requires doctors wirte the records easy to understand for patients. Actually, I am scared of my medical record to be open for patient not because of the treatment but my dirty wiriting. I think it is very strange, 
I recognise it. 


Electric medical record system have not changed duration that need for seeing patients. So, doctors uses template for "cold." With templates, the record has no uniquness so it sometimes become hard to remind of how patients were. It is irony that I can remind of patients' faces, diseases, smells, wears when I saw my bad writing even it is after a few hours later. I really hope to introduce a new robot to record everything happend in the outpatient room.

あのCRISPRが遺伝子ベイビー誕生を後押し。。。そして世界はカズオ・イシグロの世界に!?

以前ご紹介したCRISPR。覚えてますか?
ヨーグルトのサーモフィルス菌から発見されたCRISPRです。

breastandthyroid.hatenablog.com

ブログでは今後ワクチン開発に使われるでしょう、と書いたのですが、なんと中国で遺伝子ベイビーを作成することに使われたそうで。
CRISPRを開発したアメリカの研究者は激怒しているそう。
その記事がこれ↓

www.technologyreview.jpそれに対しての中国側からの反論がこれ↓

www.technologyreview.jp

サーモフィルス菌もまさかこんなことになっているとは想像しなかったでしょうよ。。。

アメリカの言い分とすると、HIVに耐性となる子供を生み出すと、今度はウエストナイルウイルスへの耐性がなくなる、また他にどんな影響が出てくるのかわからない。。。と。だから人類へ影響するこういうことはもっと大人数での合意があって実現されるべきだ。
(ま、育った子供たちが今後子供を産んで行ったら大問題になるもんね)

で、中国側からすると、俺たち今めっちゃ大問題のHIVに対する解決提案をしたんだから英雄でしょ、という。。
国際連合エイズ合同計画 によると2020年までにHIVへの必要投資はUSD26Bに登るそうで、2017年には94万人がAIDSでなくなっており、180万人がAIDS新しくAIDSになっているのだそう)

 

ま、そんな論議になってるみたいです。

でも、

でも、

でもね。

 

なんか、その、
机上での議論てゆーか、





男目線の非リアリスティックな議論だよね??
じゃああんたたち、子供、育てんのか?

どうせ研究室にこもって奥さんに子育て任せっきりなんじゃないの?

 

こうして育った子供を育てるのは一体だれ?

それは、、、お母さんです。そしてお父さんです。

 

 

あなたはその子の父親になりたいと思うのかしら。。。

 

 

私はこの話からカズオ・イシグロの『私を離さないで』を思い出してしまいました。

わたしを離さないで - Wikipedia

主人公たちは遺伝子ベイビーではなくクローンですが、人間の臓器提供の為に生まれてきたのね。でも彼らはその目的を大人になるまで知らされないのです。彼らは思考を持っており、精神性も非常に高い。大人になりそれを知ってから、非常に困惑し非行に走ったり性的欲求に走ったりしてしまう。そして最終的には3-4回の手術を経て死んでしまうわけです。わずか30数年で。
彼らを育ててるのは保護施設の先生たちですが、それを見ている先生たちは非常に辛いわけです。だから先生たちは彼らに芸術を教えて絶えず寄付金をもらい施設の拡充を測りながら精一杯生きなさいと教えるのです。


人間の一生ももっと長いけど、一人一人がミッションを持って生まれてきている。
CRISPRのミッションを役立てるとしたら、それはまだ、薬で直せる病気ではないと私は考えます。先天性の遺伝子疾患にどうしてこの中国の研究者たちがフォーカスを当てなかったのか。

"money"にフォーカスしすぎて世論をミスしてしまった感がありますね。。。





プールの中の○○を、あなたは気にしたことがありますか?

暑くなってきましたね。

今度、クアラルンプールに行きます。

東南アジアはどんなに安くてもプールのついたホテルが多いですが、

そんなプールのお話です。

edition.cnn.com

 A not-so-sweet...というのは、人工甘味料のお話だからです。

プールと人工甘味料? どういうこと?

て思いますよね。

 

実はプールの中の人工甘味料の濃度を調べることで、とあることがわかるんです。

あ!と思ったアナタ。とてもいい勘してます。

でもこれは知ってましたか?

 

カナダの研究者たちが、人間の尿に一定量人工甘味料が含まれていることを利用して、プール中にどれくらいの尿が混入しているかを調べた結果、

アメリカとカナダのプール22万ガロン中に20ガロン、幅10mの25mプールに約7ガロン(31リットル)の尿が含まれていることがわかった。

 

最近はどんな食事にも大抵人工甘味料が含まれていることを利用して行った実験の結果、とんでもないことがわかってしまいました。

 

実は、プールに混入した尿は直接測定することが難しいのです。

消毒用の塩素と科学反応して、トリクロロメタンに変化してしまうからです。

 

しかもこの物質は目に入ると痛いし、空気中に蒸発して喘息を引き起こすこともあるとか。

ひえー😰

 

みなさん、プールに入る前にはしっかりトイレに行って、ウォシュレットしたり、消毒用プールに入ったりすることを怠りなく!

こんな可愛い子供たちを笑顔で見ていられなくなりますよー‼︎

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 ちなみに、私、おかぴーが小さい頃、なかなか泳げるようになれなくて、

水をがぼがぼ飲んでしまっていたことはヒミツ㊙️です。

泳ぐ練習はちゃーんと水質管理されたプールでしよう(て、当たり前だがや)

 

来週16日はまたもやオンラインセミナーをやりますよー。
マレーシアから!
マレーシアについての質問も受け付けますので、どうぞ参加してくださいね!
お昼の部と夜の部の二回放送予定です。

ロケットをより優しく着陸させることで、宇宙旅行を低コスト化

今日はお休みでもあり、かなり医学からかけ離れたことを。

最近宇宙科学者ホーキング氏が、1000年以内に地球の環境が劣悪化して人類が住めなくなる、という声明を出したというニュースが報じられた。

これ↓

www.washingtonpost.com

 

いよいよ、なんとなく、映画の地球崩壊の時期が迫っていることを感じるが、なんせ1000年後。

 

こんな時にこんなニュースが。

edition.cnn.com

イーロンマスクの運営するスペースX。彼はロケットをフロリダ沖に無事着陸させ、その部品をブースターとして再利用してまた別のロケットを飛ばすことに成功したという。

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どれだ、スペースXは?
て思ったあなた、スペースXは会社の名前ね。

これによって、ロケット打ち上げにかかる費用は大幅にへり、

ご存知の方はいると思うが、彼の夢である”火星への移住”での大きな問題である、

コスト面の問題が解決される兆しが見えた。

 

 

宇宙旅行での身体的影響はかなり大きく、

無重力による身体機能の低下に加え、放射線の影響は著しく、

皮膚障害やガンよりも、心筋梗塞などの血管疾患を起こすことが問題となっている。

これをどう解決していくかも今後の課題だろう。

 

 

100年後には教科書に”宇宙医学”の項目が大きなページ数で掲載されているのでしょう。

でも、相変わらず、医学生の勉強は大変すぎてヒーヒー言ってるのだろうな、とも思う。もう戻りたくない、あの時代。笑

 

カンボジアのグッピー

みなさんには全く関係ないけど、今度カンボジアの病院を見学させてもらえることになった。

なので、今回はカンボジアのお話。

これ↓

www.huffingtonpost.com

東南アジアは非常にデング熱の発生が多い地域で、

カンポン・チャム州はカンボジアでもっともデング熱の発生が多い地域である。

デング熱は高熱の後に細かい発疹が皮膚に出て、その後大量の汗をかいて解熱し治るという症状の病気であるが、

ごく稀に出血症状が出て、失血死してしまう。

しかも、対症療法以外にワクチンや有効な薬がない。

 

Malaria Consortium Cambodiaはこの村の生活井戸にデング熱ウイルスを持ったグッピーを飼い、1年間で46パーセントも蚊が減ったことを公表した。

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今やジカウイルス対策にも用いられているグッピーだが、

自然環境を壊してしまう、という意見もある。

www.uvic.ca

自然の川にピラニア化したグッピーが現れるということだろうか。。。(イメージが貧困^^;)

 

いずれにせよ、デング対策はグッピーだけではダメで、

虫除けスプレー、水たまりを作らない(本当はこの村は上下水道を整備すべきなのだが)、街への駆虫薬の散布が先進国での対応である。

 

後ひとつ、気になっているのは、もし彼らが汲み上げた水にグッピーがいたら

どうするのかなあ、ということ。

やはり、井戸に戻してあげるんでしょうね。

 

"Karoshi"に寄せて ストレス反応が起こす11の症状

中学校の先生の約60パーセント、小学校の先生の約30パーセントが60時間を超えて労働していることがわかった。

jen.jiji.com

60時間は過労死認定される最低の労働時間だ。

 

過労死の原因はたくさんあって、心筋梗塞脳卒中、自殺などなど。

他に死に至らないまでも、胃潰瘍慢性疲労症候群円形脱毛症など

多数に及ぶ。

 

この話は日本だけのものではなく、海外でも先生の過労死のニュースはちらほらと報道されている。

シンガポールでも

www.straitstimes.com

イギリスでも

www.thesun.co.uk

なぜみんな女性なのかはわからないけど、おそらく先生には女性が多いからであろう。

 

医者にも当然多いのだけど、話が長くなりそうなので、今回は割愛。

ストレスの真っ只中にいるときは、本人はそれに気づかないことが多い。

そこで、今日はストレス下にいる時の体の症状をあげてみた。

これ↓

www.businessinsider.com

1. ニキビ ストレス下ではコルチゾールの影響でニキビが出る

2. 顔が真っ赤になる・汗をかく 自律神経失調の症状

3. いつも疲労感が抜けない 副腎疲労の症状

4. 髪が抜ける

5. 低血糖のように感じる 早朝や夜間に起こるはずのコルチゾールの変動が不定期に怒っている

6. 手が震える

7. 失神発作を起こす

8. 肩・背中・顎が痛い

9. 疲れた顔になる、シワが多くなる

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10. ずっと風邪を引いている

11. 顎をかみしめたり、痛くなったりする

 

この兆候が出たら、すぐにストレス解消の手段をとってくださいね。

慣れっこになっている人は、すでに体のどこかに症状が出始めていてもおかしくないかも。急げー!💨

 

話は代わり、先生ではないけど、

外国の人は昨年の電通の事件についてこんな風に書いている。

 

www.huffingtonpost.com

日本の、お客様至上主義の文化がこれを引き起こしたと書いているが、果たしてそうなのか。

私は日本人って完璧主義な人、多いなあ、と思っている。

あなたはどう思いますか?

 

 

 

 

LEDライトで血糖コントロール

糖尿病といえば、生活習慣病の代表格。

インスリンをお腹に打つことを想像して、悪いイメージをもつ人も多いだろう。

(ほとんどの人は飲み薬や食事制限や運動で対応可能なのだけど、、、

本当に人って悪いイメージを持ちたがりますね笑)

 

対して、Fit***などのリストバンドを巻く人をみなさんはどう思いますか?

”健康的” ”自己コントロールの行き届いたきちんとした人”

そんなイメージがあると思う。

 

さてさて、最近こんなすごいマウスができちゃった。

これ↓

www.bbc.com

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スターウォーズのスクリーンから間違えて出てきちゃったマウスみたいですねw。

 

このマウスの中には 光に反応して血糖を下げるホルモンを分泌する細胞が仕込まれていて、このライトによってその細胞が活性化されて血糖が下がるのだ!

 

最近はリストバンドで血糖を測れるデバイスも登場してきているので、

このデバイスと連動したら。。。

 

光で勝手に血糖をコントロールしてくれることになる。

インスリンのイメージがスマホ搭載リストバンドのかっこいいイメージに変わりそうです!

 

 

食べ過ぎると結局このホルモンも枯渇したり効きが悪くなったりするので、

生活上の注意はあまり変わらないそうです。

 

このリストバンドで運動、血糖コントロール、全てのデータが管理できるようになるんですね。

もう、食事記録を誤魔化すこともできませんよw